桜田ジュンの心労『節制なき乙女達』
- 274 :創る名無しに見る名無し:2013/05/07(火) 21:05:06.97 ID:G/QGV7sm
- 真紅「平日の昼前からゴロゴロ~ゴロゴロ~~」ごろんごろん
翠星石「……」
真紅「あ~あ、新アニメで私以外のキャラ全員、作画崩壊しないかな~」ダラダラ
翠星石「ちょっと、だらけすぎじゃねぇのですぅ真紅?」
真紅「そう? そんなことないわよ」ゴロゴロ
雛苺「さっきからずぅ~っと、このリビングでも廊下でも寝っ転がり続けているのよね」
翠星石「そうです。リラックス乙女を解禁しっぱなしじゃないですか」
雛苺「ヒナ達は学校に行っているのりやジュンのために、ちゃんとお留守番しなくちゃなのよ」 - 275 :創る名無しに見る名無し:2013/05/07(火) 21:10:33.99 ID:G/QGV7sm
- 真紅「留守番なんてハナクソほじりながらでもできるじゃない」ホジホジ
翠星石「このものぐさ乙女にアニメで主役をやるという自覚は本当にあるんですかね……」
真紅「それにしても退屈だわ。何か面白いことない? 翠星石?」
翠星石「急にそんなこと言われたって、何も思いつかんですよ」
真紅「雛苺、ムーンサルトできるようになった?」
雛苺「そんな『前から練習してたよね?』みたいな言い方で無茶ぶりしないでなのよ」
真紅「はー……、やれやれ。唐突に空からナイスミドルでも落ちてきて
血湧き肉躍る冒険譚でも始まってくれないかしら?」
翠星石「言うなれば、既にチビ人間がそういう状況ですのに、これ以上ストーリーをややこしくしてどうするですか」
真紅「……落ち物系が無理なら、どこかのテロリストがこの桜田家の地下資源を狙って襲撃に来てくれてもいいわ。
なみいる敵どもをちぎっては投げ、ちぎっては投げしてみたい」
翠星石「この家の地下に資源なんてねーですよ」
真紅「日本ならどこ掘っても温泉資源があると、こち亀の両さんが言ってたわよ」
雛苺「だったらなおさら、ジュンのお家を狙う理由がないのよ」
真紅「ちっ、オリコーさんね雛苺。その頭脳を称えて特別に真紅チケットを進呈してあげる」ピラッ
━━━━━━━━━━━━━━━━┓
r‐rァZ´~"ヾ ① .┃
真紅銀行券 rヘi !〃 ̄ ヽ.} .┃
7b!リノノリ))》 ┃
1真紅ドル /ノヘ.!}!^ω^ノ ┃
(( く_ヒ|卯i7ヾト ┃
━━━━━━━━━━━━━━━━┛
雛苺「あ、ありがとう……」
翠星石「それって紙幣価値が暴落して、便所で尻を拭く紙にあてがわれた真紅チケットじゃねーですか。
まぁだ懲りずに新札発行しているのですか? (※真紅、インフレする。参照)」
真紅「いいえ、これは昔のチケット。微妙に固くて、紙でジュンがケツの穴を切ってしまったからって返却されたのよ」
翠星石「……クソの役にも立たないとは、まさにこのことですね」 - 276 :創る名無しに見る名無し:2013/05/07(火) 21:14:30.51 ID:G/QGV7sm
- 真紅「何はともあれ、なんと言うかアレよね、アレ……」
雛苺「みゅ? 何を言ってるのよ真紅」
真紅「だから、アレよ……アレ……」zzZ
翠星石「ぬうっ! 喋りながら寝やがったですよコイツ!」
雛苺「ものすごい、だらしのなさなのよね」
翠星石「とは言え真紅を眠らせておけば、これ以上コイツの与太話に付き合わされなくて済むですよ」
真紅「……」zzZ
雛苺「うぃ。それもそうなのよね。それでヒナ達は何して遊ぶ? マリカーでもする?」
翠星石「頼まれていた洗濯物を取り込むにも、まだ早いですし……
特に何も思いつかねーですから翠星石も少し寝ることにするです」
雛苺「うにゅにゅ」
翠星石「遊びたいなら、一人でタイムラップにも挑戦してろです。ともかくは静かにしていろですよチビチビ」
雛苺「む~、ヒナも今は一人だけで遊びたい気分じゃないし、寝るの」
翠星石「よっしゃ、寝る子はキャベツとも言うですしね。このままみんなで仲良くソファでお昼寝といくですか」
雛苺「キャベツ?」
翠星石「キャベツに安眠効果のある成分が含まれているという諺ですぅ」
雛苺「そうだったのよね、それじゃヒナもう寝るの。おやすみ翠星石」
翠星石「おやすみですぅ」
真紅「……」zzZ
雛苺「……」zzZ
翠星石「……」zzZ - 278 :創る名無しに見る名無し:2013/05/07(火) 21:17:55.46 ID:G/QGV7sm
- §数時間後・昼下がり
蒼星石「……起きて、起きて翠星石。早く」ユサユサ
翠星石「んあ……? まだまだ翠星石は食べられるですよ……」ムニャムニャ
蒼星石「何、寝ぼけてるの。ほら、早く起きる」ペシペシ
翠星石「いたた、翠星石のほっぺをたたくのは誰ですぅ? ……て!? そ、蒼星石じゃあねーですか?
何事ですぅ? 遊びに来てくれたですか? いやいや、むさくるしいところへ、わざわざようこそですよ!」
蒼星石「……」
翠星石「蒼星石?」
真紅「覚悟した方がいいわよ翠星石……」チョコン
雛苺「蒼星石は凄く怒っているの……」チョコン
翠星石「おうおう? 真紅にチビ苺? 二人とも何か悪さをやらかしたですか?
そんな隅っこの方で正座なんかさせられて……」
蒼星石「君もこれから、あそこへ並んで正座するんだよ翠星石」
翠星石「なんですとー!? どうして私が!? 翠星石はただ寝てただけですよ!」
蒼星石「その『寝てた』というのがダメだ。ちょっと窓から外を見てごらん?」
翠星石「そと……?」 - 279 :創る名無しに見る名無し:2013/05/07(火) 21:26:10.66 ID:G/QGV7sm
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翠星石「おやおや、雨が降ってるですね。最近、日照り続きでしたから植物たちには恵みの雨ですぅ」
蒼星石「……洗濯物」
翠星石「ッ!! ぬぁっ! そうでしたそうでした! 早くとりこまねば……」
真紅「それはもう蒼星石がとりこんでくれたわ」
雛苺「蒼星石のお陰で洗濯物は濡れずに済んだのよ」
翠星石「お? そうだったですか。悪いですね蒼星石」
蒼星石「……何で僕がこうもタイミングよく桜田家にやってきて洗濯物をとりいれられたか分かる?」
翠星石「んー? 私達の日頃の行いが良いからじゃねーですか?
きっとお父様が蒼星石に虫の知らせというヤツで伝えてくれたのですぅ」
蒼星石「違う。空が急に暗くなってきた時にジュン君から薔薇屋敷の僕のとこに電話がかかってきた」
翠星石「なーんだ、お父様じゃなくてチビ人間ですか」 - 280 :創る名無しに見る名無し:2013/05/07(火) 21:29:04.20 ID:G/QGV7sm
- 蒼星石「……雨が降りそうだから今すぐ洗濯物を入れるように伝えようと自宅に何度も電話したけど
三馬鹿が全然電話口に出ない。本当に悪いけど蒼星石、様子を見に行ってくれないか……とね」
翠星石「へー、電話がかかってきていたですか。ぜーんぜん気付かなかったですぅ」
真紅「私も」
雛苺「ヒナも」
翠星石「ひょっとして電話が壊れているんじゃないですか?」
蒼星石「電話が正常かは僕が確認した。ちゃんと音が出る。どこも壊れていない」
翠星石「そ、そうですか。と言うことは……つまり
翠星石達がダラダラと眠りこけていたことに蒼星石は怒っているのですぅ?」
蒼星石「ジュン君は心配していたんだよ。洗濯物じゃなくて君達の方を。
ひょっとして事故にでもあっているんじゃなかろうか……とね」
翠星石「チビ人間は心配性ですぅ! そんな心配は無用ですよ」
真紅「それがそうでもなかったの翠星石」
雛苺「ヒナ達が寝ている間に、事件があったみたいなの」
翠星石「は?」
蒼星石「洗濯物を取り入れた直後、水銀燈が忍び込んできた。あと、ついでに金糸雀も」
翠星石「むむむ! あの泥棒乙女ども! 翠星石達がグッスリお休み中なのをいいことに
貴金属や食料を盗もうとやってきたですか!!」
真紅「さすが性悪長女に脳悪次女、やることが汚い」
蒼星石「違う。ただ彼女達は雨宿りをしに来ただけだ。だが、これが彼女らではなく悪意の第三者だったら
そういうことも充分にあり得る。僕が怒っているのは、君達がまったく戸締りもせずに全員寝ていたこと」
真紅「ちょっと! 雛苺に翠星石! 私が寝る前に言っといたでしょ! アレをアレしといてって! なのに……!」
翠星石「はぁ~!? あれって戸締りをしろって意味だったのですか!?」
雛苺「分かるわけないの!!」 - 281 :創る名無しに見る名無し:2013/05/07(火) 21:31:35.11 ID:G/QGV7sm
- 蒼星石「その他にもまだまだ問題はある。水銀燈と一緒に洗濯物をたたんでいたら、某国の特殊工作員たちが
多数突入してきた。ちなみに金糸雀は初っ端に投入された催涙弾がオデコに直撃して即、気絶」
真紅「えッ!? まさかのテロリスト!?」
蒼星石「テロリストじゃあない。けれど奴らの目的はこの桜田家の地下に眠る鉱物資源サクラダイトを狙ってのことだった」
雛苺「さくらだいと?」
翠星石「んなもん聞いたことねーですね。うさんくせーですぅ」
蒼星石「あのね、僕と水銀燈が、たまたまここにいたから
難なく曲者を追い返すことができたけど、もし僕達がいなかったら……!」
翠星石「わわわ、分かってるですよ! 感謝しているです! 蒼星石……と水銀燈は翠星石達の命の恩人ですぅ」
雛苺「それで水銀燈と、ついでにカナは今、どこなのよね?」
蒼星石「雨が小降りになった時に水銀燈は金糸雀を背負って帰った。みっちゃんさんの家に金糸雀を届けるそうだ」
真紅「ふーん。昔の水銀燈だったら2秒で金糸雀のミスティカを抜いていたでしょうに」
翠星石「同意なしで奪ったローザミスティカは体に毒ですからね。水銀燈のヤローも蒼星石の時で懲りたってことですよ」
蒼星石「あのねぇ……」 - 282 :創る名無しに見る名無し:2013/05/07(火) 21:35:18.37 ID:PkSuuVvj
- 翠星石「……それと、蒼星石を疑うわけじゃあねーですが
そういうドンパチ騒ぎがあったにしちゃ部屋の中が散らかってないですね」
真紅「それ、私が時間巻き戻しで直したのよ。寝起きでいきなり蒼星石に小突かれながら直したから。
何が何だか分からなかったけど、こういうことだったのね。
折角のバトルイベントを寝過ごしてしまうだなんて、勿体ないことをしたわ」
蒼星石「真紅……」
真紅「冗談よ。自分自身の隙だらけっぷりには、ちゃんと反省しているわ」
蒼星石「……とにもかくにも君達のだらしのなさは、少しひどすぎる。
よって、ジュン君が帰ってくるまでの間、僕が教育的指導を行う」
翠星石「ラスボスのくせにベホマを使う?」
蒼星石「それはシドー(FC版)。ほら、いい加減に早く翠星石も真紅と雛苺の隣で正座して」
翠星石「す、翠星石は実は股関節が正座できるように作られていなくてですね……」
蒼星石「……」ヂャキヂャキ
翠星石「じょじょじょ、冗談ですよ! 冗談! ちゃんと正座するですから!
その、無言でハサミを鳴らすの止めてくれですぅ! 怖いですってば」
真紅「アホみたいな言い逃れしようとするからよ」
雛苺「今時、ガンプラでも正座できるのがあるのよね」
翠星石「くっ……」 - 283 :創る名無しに見る名無し:2013/05/07(火) 21:50:18.67 ID:PkSuuVvj
- §15分後
翠星石「うーんうーん、足が痛くなってきたですぅ! もう勘弁してくれですよ、蒼星石ぃ!!」
蒼星石「……」シャッコシャッコ←庭師の鋏を研いでいる
翠星石「うっ!?」
蒼星石「何か言ったかい? 翠星石」ニッコリ
翠星石「い、いや、なんでも……ないです」
雛苺「翠星石は『ギャバン』が足りないの。ヒナ達なんて翠星石が起きる前からずっと正座させられているのよ」
翠星石「大した時間の差じゃねーくせに……。しかも、それを言うなら『ギャバン』じゃなくて『我慢』ですよ。
とは言え、真紅はよく我慢が続くですね……て? うおわっ!?」
真紅「……」ぶつぶつ
翠星石「目はあらぬ方向を見据え、何かうわ言を口走っているです!? こ、これは乙女にあるまじき姿ですよ!?」
雛苺「うゆゆ? 真紅、ラリっちゃったの?」
真紅「……ゼンマイが切れるとね、こうしてだんだんと足の球体関節の先から動かなくなってしまうの……。
それからとても眠くなってしまう。誰かがゼンマイを巻いてくれなければ永遠に目覚めないかもしれない眠りに……」
翠星石「うおおおお!? なんだか真紅がものすげーヤバいですよ!
蒼星石! 早く正座を止めさせてやってくれですぅ! 真紅に正座を一時間以上、強要すると死ぬようです!」
蒼星石「なんだってぇーっ!?」 - 284 :創る名無しに見る名無し:2013/05/07(火) 21:50:39.54 ID:eAswAovi
- 真紅「ふー、危ないところだったわ。川の向こうでお父様が手招きしてた」
蒼星石「お父様はまだ死んでないよ」
翠星石「つーか、真紅って正座が苦手だったのですか? 紅茶飲む時とか、よく正座しているじゃないですか」
真紅「足が痺れてきたら、こっそりスカートの中で足を組みかえて胡坐(あぐら)にしてるわ。
大体、私ら西洋人形なんだから正座なんて苦手に決まってるじゃない」
翠星石「そ、そーですか」←普段は最初っからスカートの中で胡坐かいてる
蒼星石「……ま、ほどほどに反省もしているようだし正座はこれぐらいにしておこうか」
翠星石「ええ!? 本当ですか! 蒼星石は話の分かる奴です! だから大好きですぅ!」
雛苺「蒼星石、大好きー!」
真紅「私も好きー!」
蒼星石「さて、それでは次だけど」
真紅「次ッッ!?」
蒼星石「君達、ジュン君から洗濯物以外に頼まれていたことがあるよね?」
翠星石「あっれぇ? そんなのあったっけですぅ?」
雛苺「ヒナ、全然分からないの~」
真紅「お洗濯物さえ見張っていればそれでミッションコンプリートのはずよ」
蒼星石「そんなわけはない。僕はジュン君から、電話口で『それ』をきっちり聞いた」
翠星石「いやぁ~、知らねーもんは知らねーですよマジで」
雛苺「うぃ!」
蒼星石「……」ヂャキヂャキ
翠星石「うおわっ!? 蒼星石がキレそうですよ! 早く思い出せですお前達!!」クルッ
真紅「私と雛苺に押し付けないで!」
雛苺「あっ! ひょ、ひょっとしたら……」
真紅「何か思い出したの雛苺?」 - 285 :創る名無しに見る名無し:2013/05/07(火) 21:57:08.97 ID:eAswAovi
- 雛苺「精米を頼まれていたかもしれないの」
真紅「そう言われれば!」
翠星石「おーおー、精米でしたか。なるほどなるほど、じゃ、雨が止んだら近所の精米所に米を……」
蒼星石「違う。精米じゃない、掃除だよ。そ・う・じ!」
雛苺「そうじ?」
真紅「今、私達!」
翠星石「僕達は!」
真紅&翠星石『卒業します!』
蒼星石「それ、答辞。と言うか、分かっててわざとやってるでしょ、翠星石と真紅」
真紅「てへっ」
蒼星石「可愛くないよ」
真紅「コホン。それはさておき、何かと思えば掃除ぃ?」
翠星石「そんな当たり前のことはとうの昔に済ませてあるですぅ」
雛苺「当たり前すぎて逆に思いつかなかっただけなのよ蒼星石」
蒼星石「ふーん、まあ、そういうことにしておこうか。しかし、これで本当に掃除をしたと言えるのかい、この部屋が?」
真紅「綺麗なものじゃない。テロリストに踏み荒らされていたのを時間巻き戻しで今日の私達の掃除直後の状態に戻したはずだし」
蒼星石「……」ツツー
翠星石「む! 窓枠のサッシを指でつつーっと!?」
雛苺「こ、この動作はもしかして……!?」
蒼星石「……埃が残ってる。やり直し」
真紅「なんと!? 絵に描いたような姑ぶり!!」 - 286 :創る名無しに見る名無し:2013/05/07(火) 21:59:14.29 ID:eAswAovi
- 蒼星石「掃除ってのはやればいいもんじゃあない。部屋を綺麗にすることだ」
翠星石「く……! わ、分かったですよ。ちゃんとするです。
翠星石の掃除機さばきを見せつけてやるですよ。それで掃除機の場所はどこですか? チビ苺」
雛苺「ヒナは知らないわ」
翠星石「真紅?」
真紅「私も知らない」
蒼星石「さっき、既に今日は掃除したって言ってたよね? なのに、どうして3人とも掃除機の置き場所ですら知らないのかな?」
翠星石「おおお、思いだしたです! ほれ、あそこですよ! あそこ!
ちょっと眠りすぎてド忘れしただけですぅ! すぐ持ってくるですから!」ドヒュン
雛苺「ヒ、ヒナは雑巾を濡らすためにバケツに水を汲んでくるの!!」ダダッ
真紅「じゃあ、私は山へ芝刈りに」イソイソ
蒼星石「……真紅?」
真紅「じょ、冗談よ冗談。本当、蒼星石……貴女って冗談が通じにくくなったわね」
蒼星石「昔から僕はくだらないジョークが嫌いだってことは知ってただろ?」 - 287 :創る名無しに見る名無し:2013/05/07(火) 22:04:02.16 ID:G/QGV7sm
- §小一時間後
蒼星石「ほら、翠星石! 掃除機任せにしないで腕に力を込めて! 絨毯に絡んだゴミをしっかり吸いとるんだ!!」
翠星石「ひぃいい~! もう疲れたですよ~~~」ガーガー
蒼星石「真紅と雛苺は、もっと深く腰を落として! 雑巾がけは腰で拭くんだよ!」
真紅「無茶言わないで、もう体力の限界よ」ゼーゼー
雛苺「膝と腰が痛いの~~!」ハーハー
蒼星石「中途半端な体勢で雑巾を扱うから、そうなる。
正しい姿勢で雑巾がけをすれば、その時、呼吸は乱れない。正しいから疲れない、正しいから死なない」
真紅「葉隠散?」 - 288 :創る名無しに見る名無し:2013/05/07(火) 22:06:15.11 ID:G/QGV7sm
- §さらに小一時間後
ジュン「ただいま~」ガチャリ
真紅「……」グッタリ
雛苺「……」グッタリ
翠星石「……」グッタリ
蒼星石「あ、お帰りジュン君」
ジュン「な、なんじゃこりゃ!? うちの三馬鹿が完全にグロッキーじゃねーか!」
蒼星石「あまりにもふぬけていたんで、少し気合いを入れ直してやったら、このザマだ」
翠星石「何が『少し気合い』をですか……」
真紅「肉体の限界を越えて、掃除を強要され続けたのだわ……」
雛苺「ギャン改で訴えてやろうかと思ったのよ……」
ジュン「ギャン改じゃなくて虐待な。と言うか、やけに部屋が綺麗だと思ったら、そういうことだったのか。
いやー、これは驚いた驚いた。気を利かせてくれたってわけか、姉ちゃんも喜ぶぞ、これは」
翠星石「ん?」
真紅「ジュンとのりが、私達に留守中の任として掃除を頼んでいたんじゃあ……?」
ジュン「いや、洗濯物とりこむのは頼んでいたが、掃除は頼んでいないぞ」
雛苺「ええっ!?」
蒼星石「そんな!? で、でも確かに僕は電話でジュン君から……」
ジュン「あ、ひょっとして答辞の聞き間違いじゃないのか?」
蒼星石「え!?」
真紅「ッッ!?」
ジュン「いや、梅岡先生が僕の事は静かに見守ると言ってたくせにイベンターとしての血が騒いでか『桜田復帰おめでとう会』を
開催するとか言いだしてさ。その時の答辞を考えるのに行き詰っていたんで、どうせ留守番で暇だろうから真紅達にも
僕の代わりに少し考えてみてくれと、朝の出がけに頼んでおいたんだけれども、どうせ考えていないだろーなー……て」
蒼星石「……ッ!? ま、まさかの答辞が正解!?」
翠星石「そーせーせき~~~~……」ユラァ
蒼星石「うっ!?」ギクリ - 289 :創る名無しに見る名無し:2013/05/07(火) 22:11:14.33 ID:G/QGV7sm
- 雛苺「そーせーせきぃ……」
真紅「そーせーせきー……」
蒼星石「い、いや! だって君達だって掃除を頼まれていたことを否定しなかったし
答辞についてもジュン君から言われていたこと忘れてたでしょ!?」
翠星石「あ、あの時は断りづらかっただけですよ! 蒼星石、目がマジだったですし!」
雛苺「蒼星石の勘違いでヒナ達はボロボロになるまで酷い目にあったのよ!」
真紅「こいつはメチャ許せないのだわ!」
蒼星石「え~と……、あと、その……ゴ、ゴゴゴ……」
雛苺「ごごご?」
蒼星石「ゴメーーーン!!」どひゅー
翠星石「あ、蒼星石が逃げたですよ!!」
真紅「追え! 追えーーー!!」スタタタ
雛苺「待て待てなのーー!!」ダダダッ
ジュン「ボロボロだとか体力の限界だとか言ってたわりには元気じゃないか。それにしても……
蒼星石に助太刀を頼んだのに丸く収まらない事があるとは。ますます心の休まる時が無くなっていくな」
桜田ジュンの心労『節制なき乙女達』 【終】
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2013/05/08 23:52:09 コメント12 ユーザータグ ローゼンメイデン